極東の島、狗暮(くぼ)の国。
そこに「土佐派の者」と名乗る半妖半人で構成された組織があった。
独自の人材を保有する派遣会社のようなもの。優秀な組織の一員をTPOに合わせて派遣しているよ!
メンバーには人間に妖怪の概念をぶつけて作った人工人外がたくさんいる。
名を与え、それに沿った能力の付与と概念の不死化をさせているらしい。
真の目的は過去蔓延った百鬼夜行の再出現。
扃(とざし)の者、転じて鬼門の「いりぐち」となるもの。
妖怪としての魂を入れモノである人間の体に入れ、乗っ取っている。
その事実は妖怪としての自我を獲得した人間にしか伝えられていない。
入れモノとして選ばれる人間は、社会的に不要であること(人殺しなどの犯罪者)がほとんど。
乗っ取りの段階が進むごとに人間の自我は崩壊し、本来の人格は見られなくなっていく。
組織の主であり、百鬼夜行の長。
組織の一員のほとんどから敬意を示されている。(一部例外はある)
手紙などの媒体を通じてコンタクトを取ることが多く、その顔をはっきりと見たことのある人物は少ない。
百鬼夜行は、いつの時代でもいくつか見られる。
あなたがいた夜行は、もしかするとかつてのこれとは別の夜行かもしれない。
しかし、わたしはあなたを歓迎する。
懐かしき闇、妖しき月夜。
それはいつでも変わりない。その臭いを本能で好む「物の怪」であるならばこの列に並ぶ権利がある。
……(ただ、義務と権利のどちらが先かはわからない。)
あなたはこの場所を心地よく思うだろう。
何故か?必然に。
そうして妖怪は、いつの時代でもわたしの描く姿に形を変えられていくのだ。